
先週末、6月13日にて、富士山ロングトレイルNORTHエリアに位置する、三ツ峠山で環境保全体験ツアーを開催しました。毎年恒例の本ツアーはこれまで、三つ峠山荘に泊まる1泊2日のツアーで行ってきましたが、「日帰りなら参加できるのに!」という声も多くいただき今回は初めて1DAYでの開催となりました!

富士山ロングトレイルNORTHエリアに位置する、三ツ峠山。標高は最高峰の開運山で1785mあり、山頂からは大迫力の富士山を一望できる人気の山です。登ったことがある方も多いと思います。

ただ、その三つ峠山は新・花の百名山に選ばれ、かつては登山道沿いに数多くの花々があったことはあまり知られていないかもしれません。近年はニホンジカが増え、ほとんどの花々が食害にあってしまい見られなくなってしまっているのが現状です。
現在では三つ峠山荘を拠点に活動するボランティアグループ「三つ峠ネットワーク」が防鹿柵の設置や植生回復のための様々な作業を行っています。

富士山ロングトレイル事務局も何かお手伝いできないかと、同じ様に現状の自然環境に危機感を感じている方や花々に興味・関心がある方に、この現状を知っていただこうと環境保全体験ツアーの募集をしたところ、3名のご参加者にご応募いただきました。
ご参加者はそれぞれ東京、神奈川、静岡からで、何度も三つ峠山へ登ったことがある方と初めての方もいたりとトレイルを歩いて楽しむだけではなく、もともと保全活動への関心があった方々。
ガイドの案内のもと三ツ峠の自然や歴史、富士山ロングトレイルの魅力について学びながら山を歩き三つ峠山荘を目指します。

ガイドがペースを作り、ゆっくり歩くことで、鳥の鳴き声に耳を傾けたり、植生をしっかり観察できる余裕ができます。参加者からは「この花の名前は?」「富士講とは?」などガイドへの幅広い質問や、参加者同士のコミュニケーションも深まり、会話が弾みます。

三つ峠山荘に到着し、昼食後は「三つ峠ネットワーク」の皆さまと一緒に植生保護活動に参加。
この日は、三つ峠山荘の中村氏に案内いただき、貴重な高山植物や植生を観察しながら、保全活動の取り組みについて学ぶことができました。

「実際の現場を見ながら、三つ峠山荘のご主人から植生や植物の特徴などの詳しい解説が聞けて理解が深まりました。」と参加者からの声。
その後は鎌が手渡され作業開始、三つ峠ネットワークのみなさんと普段は立ち入ることのできない保護エリア内で、鎌を使ってササの根を刈り取る作業を行いました。

近年、防鹿柵内にてササやテンニンソウが増えており、全体の植生のバランスを崩し始めており、特にササは根が地中で広範囲に広がり、土壌表面の水分を独占してしまい乾燥化させてしまいます。
ササの駆除は表面の葉や茎を刈り取るだけでは不十分で、網の目のように張り巡らせて養分を蓄えている地下茎まで刈り取らなければなりません。
参加者と共に30〜40分程度、じっくりと汗を流しながらの作業を行いました。

作業後は三つ峠山初めての参加者もいたので、山頂へ。山頂からは富士山ロングトレイルのNORTHエリアを眺めることができます。

富士山は残念ながら雲の中でしたが、それ以上に、何度も登った三つ峠山の植生の現状や抱えている問題を知ることで、美しい景色や花々は、多くの方々の長年の保全活動によって守られているということを感じ、また三つ峠山へ来るときには違った印象をご参加者に与えるのではないかと思います。
「まずは知るということ。」
“歩いて学び、自然を知る” 特別な一日となりました。
参加者からは
「保護されている中の、本来の山の状態を感じられた。」
「ガイドさんのお話が、植物だけでなく地層の成り立ちまでわかりやすかったです。」
「参加者含め色んな話をしたことで、様々な考えを知り、考えることができたよいツアーでした。」
と感想をいただきました。
私たち富士山ロングトレイル事務局として、今後も相互に協力しながら、三つ峠の保全活動の継続と普及を行っていきます。
ご参加いただいた皆さま、三つ峠ネットワークの皆さま、
ありがとうございました。
ご興味のある方は「三つ峠ネットワーク」の活動にぜひご参加ください。
富士山ロングトレイル事務局は今後も、随時、保護活動体験ツアーを三つ峠山で行っていきます。
ガイド付きツアーご希望の方はいつでもご連絡ください。
富士山ロングトレイル事務局 info@fujisan-lt-jp まで。
本ツアーのガイドを担当したのは、

笹川 修 Osamu Sasagawa
中学生の頃から父親と登山を始め、高校で山岳部の部長、大学でワンダーフォーゲル部の主将を務める。大学卒業後、公共宿泊施設や旅行会社で働いた後、30歳で富士山麓に移住し、富士山や青木ヶ原樹海を中心としたガイドを行う。2009年から2012年にかけて、自治体の山岳エコツーリズム事業として御坂山地を延べ150日程歩き回り、山岳地図等の作成に関わる。